2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧
10月9日の、杉田久女が登場する「菊が丘の家」の全文を蓼艸さんに送付したところ、いろいろこの小説の不備を指摘されつつも、久女について蓼艸さんが医師会の広報に書かれた文章をメールしていただけた。読ませていただき、ほんとに有難くぐっときました。こ…
さみだれをあつめてすゞしもがみ川(翁) 初蜩の遠く近くに(文乃) 鍵盤に己の指を遊ばせて(蓼艸) 巡り歩いて異人館まで(千年) 月光をまとひて馬は羽ばたくよ(蓼) 狗尾草の落ちし校門(つる路) ウ 他郷より蕩児戻れり露寒に(蓼) 大根洗ふ母の太尻…
小春日の遊び心や夏生の忌(千年) ふいに降りくる木莵の声(文乃) 逃げてゆく丸き時計を追ひかけて(真史) 汽車の行先誰も知らない(舞) 山の辺をとりまく詩詞を射すは月(那智) 蓑虫出でて語り始める(真) ウ くにへ送る金婚といふ今年酒(千) 限界…
昨日(19年10月12日)、明治大学公開文化講座「声なきことば・文字なきことば」第2回「声なきことば:テレパシー研究の真相」(石川幹人(まさと)明治大学情報コミュニケーション学部教授)を聞きに行った。もちろん、おもしろい今風の連句解釈に役立つ言…
外寝して鼾絶やさぬ遍路かな(市川千年) 蚊やりの煙青く地を這う(瀬間文乃) 旦暮(あけくれ)の詩(うた)の団扇に滲みゐて(篠見那智) ふと甦る第三楽章(文) 大臣にぶら下がり聞く月のこと(千) 毀誉褒貶は水の澄むまま(那) ウ 初猟は銃身で顔冷や…
10月1日の蓼艸さんの杉田久女に関する留書を読み、連句初心の頃「花衣」で花の座をあげて花の句を読んだこと、大岡山にあったユングフラウという、東京工業大学の先生や卒業生の常連が多かったバーのママさんが、戦時中、杉田久女の隣家に住んでいて、客の私…
鬼やんま石の中庭占拠せり(浩司) 砂の波濤に月淡き頃(夏生) 腕内に大き冬瓜抱きゐて(さなえ) 嬰児(やや)の眠りを風が誘ふ(那智) 信用金庫は狼なきの犬二頭(宏) 暗箱写真機笑ひさかさま(敏江) ウ フィヨルドや滴る神に君と汝と(那) リアルト…
くれなゐのグラスを合はす聖夜かな 川野蓼艸(仲冬半) 皆息白き生きてゐるもの 瀬間文乃(三冬他) 森の奥地球の心潜みゐて 葛城真史(/) タイヤの跡の道なまなまし 村田実早(/) 軽業師軽金属の月かざし 小池舞(三秋他) チラシを渡す秋の人騒(ひとざ…
誰も誰も居らずなる野や蝶もなし 篠見那智(三春/) ただ真白なるノート晩春 川野蓼艸(晩春/) 膝まづき我を埋めよと花受けて 瀬間文乃(晩春自) タッチソフトで点描にする 葛城真史(自) 月のぼる昼から夜へ万国旗 粉川蕩人(三秋/) 夢物語虫の伴奏 …
この岸へ真秋の舟を呼戻し 篠見那智(三秋半) 汝(な)と吾(わ)のあはひ木の実降る頃 川野蓼艸(晩秋半) 月昇る錬金術の技に似て 瀬間文乃(三秋/) 竪琴かかへふっと消えゆく 小池舞(他) 本棚に洋酒の壜を並べをり 岡山朱藍(他) 夢をほどけば蛍灯れる 越川和子(…
淡彩極色 オ 万緑よ身を躍らせる我を抱け 瀬間文乃 蛍つつめば透く指の間 川野蓼艸 蟹走る纜を解く刻の来て 篠見那智 スタヂアムよりどっと喚声 小池舞 年表を繰れば八朔とはなりぬ 粉川蕩人 淡彩極彩混じる花野よ 舞 ウ 死海の上満月金を滴らせ 文乃 耳の底…
羊水の記憶オ 炎帝へ立体交差登りゆく 川野蓼艸 フロントグラスに消ゆ雪解山 瀬間文乃 兜虫今日はよく子の聞き分けて 粉川蕩人 円周率は3となりしよ 蓼艸 天空を曲れば眼下の月細し 文乃 銀木犀のほろほろと散る 蕩人 ナ 肌寒を流離の果てに隠岐にあり 蓼艸…
オ 春を歩む明日よりの我が誰ぞ知る 篠見那智 初蝶空に吸はれ一点 瀬間文乃 桜蘂降らせビル風湧き立ちて 福永千晴 口笛鳴らし犬と少年 川野蓼艸 「月よりの使者」てふ菓子を提げて行く 小池舞 句碑歌碑詩碑の多きやや寒 粉川蕩人 ウ 長髪に蒼穹からめ浅茅原 …