半歌仙「石の雛」
よりそひてせせらぎ飾る石の雛 千年
風穏やかに現れし蝶々 眞路
書道家に山葵料理をふるまはれ 千年
初対面とて交はす挨拶 眞路
月天心寝台列車北上す 千年
本家を先に晩稲刈りする 眞路
ウ
山の子の囮巧みにしかけたる 千年
ブルカの奥の熱きまなざし 眞路
先生が好きなんですとにじり寄り 千年
老老介護ひとごとでなく 眞路
風水の鬼門に置きし黄の絵皿 眞路
南京櫨の平和公園 千年
宇宙船打ち上げ成功月涼し 眞路
五臓六腑にしみる冷酒 千年
ふと口をついて偲ぶや森繁を 眞路
高僧出でし落人の里 千年
目覚むれば花の盛りの歌仙堂 千年
師弟つれだつ囀りの中 眞路
(2010年3月28日首 同4月12日尾 メール文音)
高知に帰り、連衆を得、初めて半歌仙を巻きました。有難い限り。眞路さんは「蝶」の同人。次に付ける人が3句ほど付け句を出し、そのなかから次の人が1句選んでまた3句出すという方式でスムーズに巻き上がりました。(千年)