2008-01-01から1年間の記事一覧

半歌仙「臘梅の黄」の巻

臘梅の黄に始まりし朝かな 千年 冬眠の熊鼻鳴らしたる 文乃 言の葉の大海原にたゆたふて しづ マラソンランナー越ゆる急坂 青玉 しなやかにさす新走り月明に 那智 案山子の貌に笑みのこぼるる あのこ ウ 零余子飯白寿の母のめでたかり 青 脛(はぎ)美しき少…

芭蕉会議 白山連句会

現在、白山連句会で興行中です。千年

中谷先生を偲ぶ会

写真は、平成8年9月7日、埼玉県飯能市・竹寺で催された「中谷先生を偲ぶ会」(主催・鈴の会(新学社内))でのひとコマ。中谷孝雄先生が亡くなられて一年(9月7日没)。当時「鈴」(発行人・伊藤桂一)にああノ会の連句を一巻掲載していた縁で、夏生さんに…

中谷孝雄

短歌行「鷹放つ」の巻

ニッポニアニッポン鳴らせ爽籟を 文乃 能舞台より眺む新月 しづ 長き夜の枕に言葉降りつもる 那智 木の香まとはる山の生活 千年 ウ 雨粒の少し残りし金蓮花 青玉 曇り硝子に指で書くDEATH 文 背鰭もてつらぬき通す初一念 那 思ひあまりて鷹放つ時 し ついと…

歌仙「篝火の濁り」の巻     川野蓼艸捌 

離れ鵜の眼に篝火の濁りかな 篠見那智 つのる漆黒梅雨寒の中 川野蓼艸 噴井ゆけ蒼天を抜く決意もて 瀬間文乃 高く私の紙のヒコーキ 市川千年 砂丘にて駱駝の上の「月の歌」 金盛しづ 秋の夜長に冷酒を飲み 竹林舎青玉 ウ 竜胆に風立ち我はワンピース 阿武あ…

「村野夏生の事」  川野蓼艸

風信子が解散になって村野夏生がああノ会を立ち上げたのはもう何時だったのか。詩人であり、歌人であり、童話作家であり、近代美術評論家でもあった彼が何時の頃からか体調が万全ではなくなっていった。 階段を上がる後姿がぎこちなかったり、発言がはっきり…

川野蓼艸師 アカデミーヒルズで講演

7月4日、午後7時過ぎより、ああノ会の阿武あのこ(秀子)さんがスピーカーを務めるアカデミーヒルズ 六本木ライブラリー「ライブラリートーク」(六本木ヒルズ49階)で、同会代表・川野蓼艸師が「和歌から連句へー日本文化の五音七音のリズムの行方」と題…

半歌仙「五月雨に鳰」

マロニエの花揺れてゐるらいてう忌 青玉 青梅籠に盛つて捧げん 文乃 五月雨に鳰の浮巣も流されて しづ 飛べると思ひ跳んでみた人 千年 あこがれの玉兎に付けし足の跡 し 隣家と供に庭木刈る朝 青 ウ 初潮に夢をうかべて眠りたり 文 女学生らの声の冴えゆく …

爛柯編集部ー焼畑

「『おくの細道』時空間の夢」堀切実(角川学芸出版 平成20年5月10日発行)の第一部『おくの細道』と日本文化論の四「うかれ人、まれ人の系譜」に「・・そして、芭蕉の遍歴志向は、単にその遊動する旅の生涯そのものにおいてあらわれているだけでなく、次か…

半歌仙 海鼠と月

春陰や太極拳の浮き始む 千年 角を曲れば満天星の花 文乃 巣立鳥産毛は風に遊ばれて 青玉 今日一日は読書三昧 しづ 大鏡かかげて月を迎え入れ 文 冷ややかな刃をあてる顎鬚 あのこ ウ 外つ国のもろこしの値の上がるらん 千 エコがエゴへと変わる世界よ 文 萍…

芭蕉会議1年  

連句の実作と認識のために、「芭蕉会議」で爛柯状態になってしまった1年余り。 芭蕉会議主宰の谷地快一先生の「ブログ」と併せ、連句の未来の土台のための、未来の風に吹かれるための対話に参加しているようで、本当に有難く、またおもしろい。(千年)

歌仙「氷山の崩壊」の巻   川野蓼艸捌

寒風や気づけば我も怒涛なる 篠見那智(三冬自) プラットフォームに満つる歳晩 瀬間文乃(仲冬/) 白鳥の一点となり消え果てて 川野蓼艸(晩冬/) 思索の末の行きつ戻りつ 志治美世子(自) 月見酒動かぬままの古時計 市川千年(三秋自) 菊枕して過ごす…