胡蝶「獏と始祖鳥」の巻       川野蓼艸捌

ichikawasennen2009-05-02


胸に春獏と始祖鳥飼ひならし     篠見那智
 清明の豹 鞭調教師          川野蓼艸
高空へ稚児百合の束投げ上げて    瀬間文乃
 童心こめて歌ふ童謡          市川千年
月の役王様の役割り振って       金盛しづ
 落ちた木の実を壷に蓄はへ      森あすか

源流の社を鮭の遡る             千年
 声を聞いたら逢ひたくもなる        あすか
金環の緋の砕け散り別れけり        文乃
 口に含んだ火(ウオ)酒(ッカ)吹きかけ   文乃
黄泉の国避け水晶の入射角         千年
 里帰りした寺の仏像             しづ
蚊帳を出で廊より見やる須磨の月      しづ
 金曜夜はニンニクの日ぞ          千年
世紀末革命の旗林立す            文乃
 血液型を尋ねあふ恋            文乃
コンパスを使ひDNAを描く          千年
 さめざめと泣く雪女 夢           蓼艸
ウ 
ストーヴに煮豆の鍋の語るなり        しづ
 心拍数は高め疾走             千年
遠ざかる背中に重き落し角          文乃
 今朝の香りのうららうららと         あすか
無残やな昨夜の雨と花の果て        あすか 
 友を誘ひて行かむ野遊び          しづ


平成二十一年四月十八日(土) 於・西荻「遊空間」
  
写真はしづさんと恋人の芭蕉さん。編集不足で右肩に入ってしまった。(千年)