2006-07-11から1日間の記事一覧

百韻首尾「破れジーンズ」の巻

初夏の風網戸を抜けて心太 木々 羽化する蝉の背に光るもの 信子 十万枚目の日灼け少年の髪ながれ 夏生 破れジーンズ洗ふ昼過ぎ 三津子 国境を羊の雲と共に越え 夏 ワイングラスに受ける満月 信 鳳仙花世界まるごとモニターの中 木 あっという間の秋のウィル…

短歌行「絹ごしのエロス」の巻

八月やつなぎつるりと脱ぐ女 浩司 嫦娥の眉のちょっと垂れてる 夏生 イボをとる無花果の汁むず痒く 木々 物干竿を売り歩く声 あのこ ウ 紫に火星の夜明け染まりゆく 信子 クレーの天使と膳所で落ち合ふ 三津子 水中の光と影にありて君 木 食卓に透く鯉の洗ひ…

半歌仙「片思いも恋のうち」

冬の日は裸木の幹に滑りたる 信子 靴音響く寒きビル街 木々 北の人喜ぶ地球温暖化 三津子 玄関先に波の寄せくる 夏生 月宮殿建築資金出す銀行(バンク) 浩司 竹筒からは新酒ぐびりと 信 ウ ありのみと呼びたる祖父の遠い声 仝 日付ふされし万葉の歌 浩 片思…