2006-07-05から1日間の記事一覧

半歌仙「ビワハヤヒデ」の巻

ビワハヤヒデは伏目の馬よ雪解空 敏江 春草揺れて光る海風 夏生 自家味噌でわが蜆汁うまいな 手留 粉引の皿の罅あたたかし さなえ 半月が落ちたかたわれ呼んでゐる 宏 紫蘇の実に染む指さきの色 信子 ウ 戦場は薄野濡れしピアノ弾く 仝 専業主婦の座を捨てま…

爛柯通信 その二「コラボレーション」  村野夏生

○連句という、この怪物の正体はいったい何だろう。 ○短歌の叫び、俳句の眼、近代詩の陶酔、現代詩の批評―それら全部を包み込んで、なお余りあるといった方がいいか。明治以来の近代日本が忘れ去った巨大な詩的空間がここに眠っていたのである。叫びが眼が、…